「立ち直る力」「精神的回復力」レジリエンスを考える

7月初めに、まくママ定期開催の人気イベントである家庭学習支援プロジェクトが開催されました。

これは、千葉市自閉症協会 高機能部の協力を得て、経験豊富なママ達と一緒に、子育てについての諸問題を考え、思いをシェアし、いろいろなお話が聞けるアットホームな会です。

今回のテーマは『Resilence~レジリエンス~』

最近耳にする事も多い言葉かと思いますが「立ち直る力」「精神的回復力」のこと。

千葉市自閉症協会 高機能部部長の穂積さんが、今回も分かりやすくレジリエンスについてまとめて下さいました。

レジリエンスとは?

レジリエンスは、「決して折れない心」「心のタフさ」などと勘違いされやすいけれど、辛いのに努力する事ではありません。

「心の持つしなやかさ」、つまり、辛い事があって落ち込んでも、長く引きずらない事/周りの人に頼る力のことです。

人がレジリエンスを持つ上で必要な三要素とは

新寄生追及(新しい事を求め、未知なものに関心を持ち、チャレンジしたいという意欲を持つ)
感情調整(自分の気持ちをある程度コントロールする事)
肯定的な未来志向(基本的に未来は明るいと思っている・将来に対して肯定的な気持ちを持つ事)

です。

確かにこれらがあれば、レジリエンス力は高く持てるかと思います。

でも、この三要素を持つ事が難しい~というのが現実ですよね。

レジリエンスは自尊心とも深く結びついています!

自尊心=自分を評価する感情。自分を信じる力。自分を大切にする力

そして、自尊心は、成功したり褒められたりする事で育ちます。

一方、

レジリエンス=落ち込んでも立ち直る力。周りの人を頼る力

は、自分の力や助けられても成功する事、失敗しても人に助けられた時に育ちます。

同じ成功体験でも少しニュアンスが違いますよね。

でもこのレジリエンスに必要な

「自分の力や助けられても成功する事/失敗しても人に助けられる経験」

は、人と関わる技術として欠かせないソーシャルスキルを培います。

レジリエンスを育てる4つのステップ

では、そのレジリエンスはどういった事から育てられるのでしょうか?

レジリエンスは簡単に育つものではありません。

安定した生活と経験の積み重ねにより自己理解を深めています。

そして以下の4つのステップも必要なのだそうです。

①生活習慣を整える

早寝早起き。
予定などを紙に書いておく事。
生活パターンを決める。
何より家庭を安心安全な場所として機能させる事。

②人を頼って成功す体験を積み重ねる

失敗を減らし成功を増やせるようにサポート。
ほぼ出来ている事を目標に。
苦手は人に頼っていい。
本人の趣味やペースを尊重。

そして、成功した時、失敗した時の注意として

親子で感想や意見を言い合う。
自信がバブル化しないように褒める
(間違った褒め方=人との比較で優越感を味わうような褒め方は×)

興味を生かして家庭内で役割を持つ

お手伝いなどを積極的にやってもらう
(人の役に立つ経験を通して、その子の強みを口に出して伝えてあげる事/また、選択肢は子供にあげる事/親離れ)

④サポートを受けて気持ちを切り替える

感情をコントロールするのではなく、切り換え力!
(自分の気持ちに気づくだけで十分!相性のいい人と一緒に居るようにする、その場を離れるスキル)

これらのステップは確かに、一朝一夕で身につけられるものではありませんね。

全てができなくても、周りがこの事を知り、意識して関わる事の大切さを感じました。

「自信のバブル化」-ほめ方に潜む危険性

「自信のバブル化」という褒め方の危険性も改めて感じました。

確かに、つい「成績上がったね!クラスで〇番になったね!〇〇ちゃんより上手にできるね。」などと、分かりやすい指標を指して、褒めてしまいがちになるかと思います。

でも、これは優越感を通して自信に繋げようとするもので、達成感ではありません。

この優越感で自信を付けさせた子は、他の子に負けた時に簡単に自信が崩壊してしまうのです。

成績が良かった子が、難関高校に入った途端に、普通の成績になり自信を失ってしまうお話は、よく耳にしますよね。

これは、

成績を褒める

優越感で自信を付ける(仮想的優越感)

他の子に負ける

自信が崩れる

自信の存在を否定

という「自信のバブル化」によって起こるのですね。

つい、やってしまいがちな褒め方なので、意識しなければならないと感じました。

親が楽になる五箇条とは

最後に、親が楽になる5箇条「らりるれろ」も教えて頂きました!

ら・・楽に生きよう
り・・理解しよう
る・・ルールはほどほどに
れ・・連携はこちらからの歩み寄り
ろ・・ロンリネスは良くない

親が楽になる事は、本当に大切だと思います。

そして「べき」や「ねば」から、解き放たれた育児をする事は、何よりお子様の発達の後押しになります。

その事は多くのクライアントさんから学ばせて頂いてます。

こういった勉強会を通して、学ぶ事、気づく事も、親が楽になる事に繋がりますね。

そんな意味で、この家庭学習支援プロジェクトは、素晴らしい機会だと思います。

参考図書:集英社 レジリエンス 監修 藤野 博/日戸 由刈

この会は、3カ月おきに定期開催しております、次回は10/16 詳細は コチラ です!

初めての方も大歓迎です♪どうぞ、お気軽にご参加くださいね!

次のブログではこのレジリエンスでも何度も出てくるキーワード「楽観性」について、最近思う事をまとめてみたいと思います。

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